増田町観光協会

重伝建地区は雪とどう向かい合えばいいのか?

2021/01/06
豪雪地帯と文化財保護地区
2021年1月3日の町内除雪状態記事の件で観光協会事務局にメール3通いただきました。メール内容を要約しますと、「除雪隊の人たちは頑張っているのになぜあのような記事を載せるのか?」という中身でした。先ほど、言葉の記述の強いところは修正を加えました。ご確認ください。
除雪隊の人たちは仕事として頑張っているのはその通りです。作業を行っている方々を批判非難するつもりはありません。ただ、町内見回りしていますと、ここだけ現状は写真の通り住宅に向かって道路の雪を家屋が見えなくなるほど押している状況です。このような場所はほかにありません。ましてや人が住んでいない家だから何をしてもいいわけでありません。むしろ町内でサポートしなければいけないはずです。ただし、文化財指定地域から300mほど離れた場所にある今現在人の住んでない家2軒の前はもうすでに数回除排雪作業を行ったところもあるようです。

40年ほど溯りますと、増田町でドイツ製ウニモグロータリーを導入したことで、町内の各小路も除排雪できるようになりました。それまでは正面に八の字型の排土板のついたブルドーザーや除雪車が除雪作業の主力でした。その当時は町内の土建屋さんも多く、のちに除雪作業は民間除雪組合なども組織され作業請負しておりました。どこの家に誰がどのように住んでいるのか掌握しながら、見回りや配慮していたように記憶しております。
今回のこの場所も「そのうち排雪するから、今は雪を少し積み上げさせてもらうからよろしく!」と所有関係者に話して居ればいいだけだと思います。郊外ではなく住宅密集地ですので無断ではいけません。お声がけするべきです。

ところで、住宅密集地はどうでしょうか。30年ほど前、主要な通りには流雪溝が整備され除雪作業車が道路の除雪を行った道路わきの雪を、町内の人たちがボランティアで自分たちでお金を出し合い組合を作り、流雪溝に人力で排雪することができるようになりました。その当時40代50代の住人は現在70代80代になっています。私も含め元気な年寄りであればどうにかなります。しかし、「この流雪溝システムは限界が来るので早めにほかの雪対策を考えないと大変なことになりますよ。」と再三お話ししてきたところです。
一方郊外の広域農道などは夜に除雪、日中ロータリー車を走らせて排雪しています。昔は砂利道を除雪作業することで農地所有者から砂利を飛ばすなと苦情が殺到したこともあったはずです。その後農道舗装が進みそのようなトラブルがなくなって安定的に郊外の除雪作業はやりやすくなってきました。機械作業がやりやすいインフラ整備のお陰です。

話は変わって他地域の例です。山形県鶴岡市では以前から行っている除排雪方式は「〇〇町内は来週の〇曜日に排雪作業行いますので、屋根の雪下ろしの雪を道路わきに出しておいてください。」と回覧し、道路を一部通行止めにして、行政と業者、住民が集中的に雪対策を行っているようです。敷地の限られた住宅密集地では参考になるシステムだと思います。

増田町観光協会は増田地域が指定されています『重要伝統的建造物群保存地区』を中心に年間360日営業し、町内所有者との日常的相談や調整など、地元と関わりを持たせていただいております。増田の旧町内は区画整理されていないため江戸時代から町割りが変わっていないことが文化財地域指定の重要要件だったようです。町内の各個人個人の協力なしには成り立ちません。積雪地帯でありながら家並が肩を寄せ合うように敷地や家屋が並んでいます。昔は農閑期の仕事作りも兼ねていたようで、各家家や町の中は維持管理に人手がかかる構造になっています。昔は増田には魚屋さんが多く10軒以上存在し町内の各所に雪室があっあこともあり、屋根の雪は翌年の9月ころまで保存使用していましたので現在とは雪対策状況が異なります。間口が10mほど奥行き100mほどの短冊形敷地に母屋が40mから50mほど建ち、裏庭にはもう一つ外蔵が建っています。母屋は隣家との屋根同志がほぼ隙間なしというところもあります。建物や敷地はそのまま保存し、人手の減少した現在どう管理し続けていくのかが重要な課題です。若い人たちが暮らせるようにと考えても、文化財指定という規制の中、裏庭の空いたところに新しい住宅を建てることさえ制限されています。特に積雪時の対策は各個人個人で対応するのには限界がもう間近であろうと思われます。また古い家屋の改修工事を行ったお宅も元々雪対策のために貼ってあった鋼板を撤去し、板張りに復元するなどしている関係で、雪対策は今後も困難を極めるものと思われます。

つまり、このような記事を記載しますと「その通り、よく言った。」という方が大半な反面、「なぜこんなもの書いた。」という意見を言われる方もあります。しかし、落ち着いて考えてみてください。感情論でも根性論でもなく除排雪を含めた雪対策システムの再構築をしないと、増田の重要伝統的建造物群保存地区のような住宅地は人の住めない地域になってしまいます。もちろん増田ばかり特別でないといわれる方もあるかもしれませんが、『住宅密集地における雪対策システムの再構築』をテストケースとして行える小さな地域ではないでしょうか。合併した横手市平鹿郡の中で積雪の多い場所はたくさんありますが、住宅密集地の積雪が最も多い場所が増田です。住宅密集地における毎年来る雪災害に備える方法として提案を考えていきましょう。
雪は毎年来る自然災害です。「20日間も仮眠状態で頑張っているのに文句言うな。」「文句言うなら自分たちで除雪しろよ。」などのメールを頂きましたが、感情論や根性論では情けない話です。問題は除排雪作業という現場作業部隊の話に置き換えず、何十年も先送りしてきた『住宅密集地の雪対策システム』を再検討する必要があります。仕事ではなく無償のボランティアを行っている元気な年寄りがいなくなってからでは遅いのです。

なお、「この件でお話ある方はいつでもご連絡ください。直接お話ししましょう。」と記載しましたら、さっそく住所も連絡先もなくメールいただきました。さらに返事をよこせとのことですが、匿名では何でも言えるのではなく、実際のその現場のことを考えていきたいものです。私たち70代が若いほうの年寄りが住む重要伝統的建造物群保存地区の話です。今後どのように暮らしどのようにサポートしていけるのか? 会長千田孝八
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